驚くほど奥深い「古紙幣」の世界とは?~歴史的価値と買取相場を中心に紹介~

驚くほど奥深い「古紙幣」の世界とは?~歴史的価値と買取相場を中心に紹介~

私たちが普段使用している1,000円札などの紙幣はここ数十年以内に発行されたものですが、それ以前にも現代とは異なる紙幣が使用されていたことをご存じでしょうか?

現在では貨幣として使われなくなった紙幣は「古紙幣」と呼ばれ、歴史的価値を持つ貴重な品物としてコレクターの間を中心に取引されています。

時代の移り変わりとともに発行・廃止されてきた古紙幣には非常に多くの種類のものが存在しており、その世界には一度覗いてみると無視できない奥行きが広がっているのです。

本記事では、そんな「古紙幣」の世界を歴史的価値や買取相場といった視点を中心に掘り下げていきます。

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1. 古紙幣とは

「古紙幣」とは、その名の通り古い時代に発行された紙幣のこと。日本において長い歴史を持つだけに留まらず海外にも多種多様な古紙幣が存在しており、その世界の広がりは驚くほどです。

古紙幣は、現代ではもう発行されなくなった紙幣であるためコレクションアイテムとしての価値があり、なかにはプレミア価格がつくものも少なくありません。また古い時代の紙幣であればあるほど紙の状態に問題が起きやすいので、綺麗な状態の古紙幣は現代においてレアアイテムとして取引されています。

1-1. 古紙幣と旧紙幣の違い

「古紙幣」と「旧紙幣」は一見同じものを指すようにも思えますが、実際にはそのニュアンスはかなり異なっています。というのも、どちらも発行が終了しているという点では共通しているものの、“現代で貨幣として使用できるか”という点で大きく違いがあるのです。

現代でも貨幣として使用できる「旧紙幣」に対して「古紙幣」には貨幣としての価値がなく、専らコレクションアイテムとしてのみ流通しているもの。そのため、古紙幣は額面の金額よりもかなり高い価格帯で取引されるケースが多く見られます。一方、旧紙幣は現代でも貨幣として使用できることから極端な汚損のあるケースなどを除いて額面通りの金額で取引されるものの、プリントミスや通し番号によってはそれ以上の金額で買い取られるケースも度々存在します。

1-2. 日本の古紙幣の種類

日本の長い紙幣発行の歴史において、実際にはどのような紙幣が流通してきたのでしょうか?

以下では、歴史的価値があり、また現代日本でよく取引されている主要な古紙幣を紹介していきます。

・江戸関八州金札

江戸時代に発行され始めた金札・藩札は日本初のお札の総称として用いられており、民間や藩などさまざまな組織から発行されました。なかでも「江戸関八州金札」はプレミア価値の付きやすい古紙幣として知られています。

・明治通宝

「明治通宝」は、数え切れない種類の紙幣が流通していた当時の日本の統制を図るために、明治政府が新しい貨幣制度の一部として発行した紙幣です。特に、100円と50円は非常に希少価値が高い紙幣となっています。

・旧国立銀行券

明治時代初期に、金本位制に対応すべく日本初の兌換紙幣として発行されたのが「旧国立銀行券」。当時のアメリカドル紙幣と似たデザインのこの古紙幣は、どの種類のものも非常に高値で取引されているのが特徴です。

・日本銀行兌換銀券(旧兌換銀行券)

日本銀行により発行された初めての紙幣である「日本銀行兌換銀券(旧兌換銀行券)」は、銀と交換可能な兌換紙幣。「大黒札」という愛称で知られていて、その希少価値や歴史的意義からどの額面金額の紙幣でも非常に高い価値を持ちます。

・軍用手票

「軍用手票」とは戦時中に軍隊が国外で使用するために発行された紙幣のことで、大日本帝国の勢力下にある地域で、主に軍隊の物資調達のために使用されたものです。なかでも「シベリア出兵軍票」や「日露戦争軍票」といった軍用手票は、希少価値の高さでよく知られています。

2. 日本古紙幣の歴史

日本における紙幣発行の歴史は長く、現在確認できるものでは古くは江戸時代に発行されていた記録があります。長年にわって流通し続けてきた古紙幣は、どのようにして現在の形に辿り着いたのでしょうか?

本章では、日本の古紙幣発行の歴史を時代ごとに分けて紐解いていきます。

2-1. 江戸時代:日本紙幣の起こり

日本国内で古紙幣が初めて発行されたとされるのは、1600年の関ヶ原の戦いが行われた時代まで遡ります。この時期に現在の三重県にある伊勢の商人たちの間で発行された「山田羽書」は当時の徳川幕府が発行していた銀貨と同等の価値があると認められており、日本初の紙幣であったと言われています。

1661年頃からは、全国各地の藩において「藩札」と呼ばれる紙幣が発行されるようになりました。これは慢性的な財政難を解消するために各藩が貨幣の代わりとして発行したものであり、使用は各藩内に限られていました。

このように、江戸時代に使用された紙幣はあくまで発行された地域の周辺に流通が限られていて、全国で使用可能な紙幣が登場するまでには次の時代の到来を待つこととなります。

2-2. 明治時代:近代紙幣の発行

1868年明治維新によって明治時代が始めると、新政府は江戸時代に流通していた藩札の使用を禁止するとともに国内初の全国共通紙幣である「太政官札」を発行します。しかし、発行の2年後には偽札が出回るなど流通に問題が多く、すぐに廃止されてしまう結果となりました。

1870年には「円」が初めて通貨単位として採用されたことを皮切りに、日本の紙幣システムは飛躍的な近代化を遂げていきます。1872年、ドイツの偽造防止技術を取り入れた紙幣が登場。1881年には、現代紙幣のように肖像画が描かれた紙幣の発行がスタートしました。

この時期に発行された紙幣としては、「明治通宝」「旧国立銀行券」「日本銀行兌換銀券」などがあり、まさに日本の近代紙幣システムが花開いた時代と言えるでしょう。

2-3. 昭和時代~現在:楽しみ方の広がる古紙幣の世界

昭和時代に発行された特筆すべき古紙幣としては、まず「軍用手票」が挙げられます。先述のようにこの紙幣は大日本帝国の勢力下にある海外地域において発行されていた紙幣であり、戦時中の軍需物資の調達のために用いられました。

第二次世界大戦以降、日本紙幣のデザインはより現代的に変化していきます。発行される紙幣の額面金額は1,000円・5,000円・10,000円と現代に通ずるものであるほか、2000年には特別な記念紙幣として2,000円札が発行されています。

現代においてはキャッシュレスマネーなどの普及に押されて使われる機会が減少しつつある紙幣ですが、その分歴史的な価値を持つものも多く、コレクションアイテムとしても広く愛されています。

3. 古紙幣の買取について

先述の通り、古紙幣はコレクションアイテムとして中古市場で頻繁に取引されている品目のひとつです。膨大な数が発行されている古紙幣の買取価値は千差万別ですが、なかには希少価値が非常に高いものもあり、その場合はまとまった金額が手に入ることを期待できます。

そこで本章では、古紙幣の買取について以下4つの視点から解説していきます。

・古紙幣の買取相場

・特にプレミアの付きやすい古紙幣

・価値の高い古紙幣の特徴

・古紙幣を高く売るコツ

3-1. 古紙幣の買取相場

古紙幣の買取相場はものによってバラつきが多く一概には言えませんが、紙幣の希少性や歴史的価値、状態いかんによってはプレミア価値が付く可能性もあるため、まずは買取専門業者へ持っていき査定をしてもらうとよいでしょう。

プレミア価値の付いた古紙幣である場合、買取価格は数万円~数百万円になるケースもなかにはあります。以下の章では、特にプレミアの付きやすい古紙幣の例を挙げたので、ぜひ参考にしてみてください。

3-2. 特にプレミアの付きやすい古紙幣

数ある古紙幣のなかでも特に高額買取が期待できる古紙幣には、どのようなものがあるのでしょうか?以下には、プレミアの付きやすい古紙幣を紹介します。

  1. 江戸関八州金札

    記事前半でも紹介した「江戸関八州金札」は、江戸時代末期の1867年に発行された金札です。状態の良いものであれば高値がつく場合があります。

  2. 江戸横浜通用札

    江戸関八州金札と同時期に幕府によって発行されたのが、「江戸横浜通用札」。江戸関八州金札ほどではありませんが、高値が付く可能性があります。

  3. 日清戦争軍票

    古紙幣のなかでも飛びぬけて評価が高い「日清戦争軍票」。高い評価の理由は発行数と現存数が非常に少ないことで、買取で数百万円の価格が付いたケースもあります。

  4. シベリア出兵軍票

    「シベリア出兵軍票」は、大正時代に起きたシベリア出兵における物資調達を目的として発行されました。日清戦争軍票ほどではないもののこちらも希少価値が高い軍票で、特に5円・10円といった額面金額の大きいものほど取引相場が高くなっています。

3-3. 価値の高い古紙幣の特徴

高く評価される古紙幣には、以下のような特徴があります。

  1. 希少価値が高い

    現存数が少ない古紙幣は希少価値が高いので、中古市場において高値で取引されます。例えば「明治通宝」はドイツに印刷を依頼した紙幣であったために紙質が日本の気候に合わず、劣化が早まってしまうことからあまり長くは発行されませんでした。こうした紙幣は発行数自体が少なく、結果として中古市場で高く評価されています。

  2. 保存状態が良い

    状態の良い古紙幣ほどコレクション対象として魅力が高く再販売もしやすいことから、査定価格は上がります。何十年以上も前に作られた古紙幣のなかには劣化が進んでいるものも少なくなく、また紙質なども現在のものと比べると低いため、状態を良好に保つためには保管方法に注意する必要があります。保管方法については記事終盤で解説しているので、ぜひ目を通してみてください。

3-4. 古紙幣を高く売るコツ

コツを踏まえて買取に出せば、古紙幣の買取金額を高くすることができるかもしれません。そこで以下には、古紙幣を高く売るコツを挙げました。

  1. 状態良く保存しておく

    先述の通り、状態の良い古紙幣ほどコレクター需要が高く、買取店の査定においても高く評価されます。古紙幣の状態を良好に保つための方法は、記事終盤の「古紙幣の保管方法」という見出しで解説しています。

  2. 付属品と一緒に査定に出す

    高額で取引される古紙幣には本物であることを証明する認定書などが付いているケースがしばしばあり、認定書が付いている古紙幣は高い査定額を付けやすい傾向にあります。なかでも、「日本紙幣商協同組合」の発行する認定書は信頼性が高いとされています。

  3. 複数点をまとめて査定に出す

    もし買取に出せる古紙幣が複数点ある場合には、一度にまとめて査定に出した方が高額査定につながりやすいでしょう。買取店から見ると、複数の商品をまとめて買取できればそれだけ量力を省けるため、査定額を上げやすいという事情があります。

4. 古紙幣のお手入れはした方が良い?しない方が良い?

発行されてからすでに長い年月が経っている古紙幣のなかには、劣化が進んでしまっているものも少なくありません。それでは、状態を良く保つためにお手入れが必要なのでしょうか?

結論から言えば、これといったお手入れをする必要はありません。というのも、例え皺があったり汚れが付いていたりしていても、お手入れを行うと古紙幣を破損させてしまうリスクが大きいからです。例えば、アイロンなどを使っての皺伸ばしはご法度ですし、汚れているからといって無理に洗浄を行えば古紙幣の劣化や破損を招いてしまうかもしれません。

古紙幣を良い状態で長く保存するためには、お手入れよりも寧ろ保管方法が大切な要素になります。

4-1. 古紙幣の保管方法

先述の通り、古紙幣の劣化を防ぐにはどのように保管するかが重要です。そして保管方法を考える際には、まず古紙幣の劣化を招く要素を知ることから始めてみましょう。

古紙幣は主に「空気による酸化」「湿気」「紫外線」「皮脂」といったものに晒されることで劣化していきます。そのため、これらの要素を遠ざけるように保管するのがベター。特に人間の皮脂や手垢は虫食いやシミを発生させることもあり注意が必要です。

こうした劣化のリスクから古紙幣を守るための方法としては、専用のコレクションホルダーに入れて保管するのがおすすめ。外気や紫外線、皮脂との接触を防いでくれることはもちろん、破損のリスクも軽減できます。そのほか、「紫外線の当たらない場所に保管する」「防虫対策を行っておく」といった方法も有効なので、ぜひ試してみてください。

5. まとめ

本記事では、古紙幣の魅力や歴史、買取情報についてお伝えしてきました。

日本国内において長い歴史を持ち、世界各国で多種多様なものが発行されてきた古紙幣の世界は意外に奥深く、どれだけ探求しても探求しきれないほどの魅力を持っています。歴史的価値の高い古紙幣はコレクションアイテムとしての需要も大きく、中古市場において活発に取引されていることも特徴的です。

また買取に出すことを検討している場合には、少しでも良い状態で査定に出すことで思わぬ買取価格が付くこともあるため、ぜひ本記事で紹介した情報を参考に準備を整えてから査定に出してみることをおすすめします。

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