金貨の価値とは？金貨の種類から買取相場まで令和の金貨事情を徹底解説

金の価値が年々上昇している背景もあり、中古市場において金貨の価値も高まっている傾向にあります。

しかし、金貨にはとても多くの種類があるため、「自宅で金貨を見つけたけど、価値のあるものかわからない」と悩んでしまう人も少なくありません。

この記事では、金貨を見つけた人はぜひチェックしておきたい、金貨の種類から買取相場まで、令和の金貨事情を幅広く解説します。

1. 金貨とは

金貨とは金を素材として鋳造された貨幣のことです。

金は柔らかい素材であるため、近代の貨幣では銀や銅などの金属を使用して強度を高めていますが、昔の貨幣や投資・コレクション目的で製造されたコインは、高い純度の金で構成されています。

ここでは、そんな金貨の主な種類を3つにジャンル分けして解説します。

分類によって金貨の傾向が異なりますので、自分の手元にある金貨がどの分類に当てはまるかチェックしてみてはいかがでしょうか。

1-1. 地金型金貨

地金型金貨は、主に投資目的で使用されている金貨です。

さまざまなデザインの金貨が存在しますが基本的に考慮されず、含まれる金の重量（純度）に流通や製造で発生したコストを加算して価値が決まります。

代表的な地金型金貨は以下のとおりです。

• ウィーン金貨
• イーグル金貨
• メイプルリーフ金貨
• カンガルー金貨

メイプルリーフ金貨やカンガルー金貨など、純度99.99%以上の純金製金貨も多く、一般的に金の純度が高ければ高いほど人気が高い傾向にあります。

流通目的ではなく、金相場に連動して売買される特性もあり、世界的に信頼性が高く、換金性が高い投資ツールとして高い人気を誇っています。

1-2. 収集型金貨

収集型金貨は、美術的・記念的価値を重視して発行される金貨です。

限定枚数で発行され、歴史的に重要なイベントや人物、文化遺産などを題材にしたデザインが施されています。

代表的な収集型金貨は以下のとおりです。

• 天皇陛下御即位記念（10万円金貨）
• 皇太子殿下御成婚記念（5万円金貨）

収集型金貨の種類によっては、金貨の価値が金の相場だけでなく希少性や人気によって変動することも珍しくありません。

収集型金貨は、コレクター向けにケースや証明書付きで販売されることも多く、投資目的よりも美術品・記念品としての需要が高い傾向にあります。

1-3. アンティークコイン

アンティークコインは、1900年代前半に製造された金貨など、歴史的価値を持つ金貨を指します。

アンティークコインの価値は、金相場よりも美術的や歴史的価値で決まる傾向があり、保存状態や発行枚数も価格に大きく影響します。

アンティークコインに分類される、代表的な金貨は以下のとおりです。

• ローマ帝国のノミスマ金貨
• フィレンツェ共和国のフローリン金貨
• ヴェネツィア共和国のダカット金貨

ANACSなど国際的な鑑定機関で鑑定しているものであれば、数千万単位で取引されることもあり、ロマンに満ちた存在であるといえるでしょう。

2. 金貨はお金として使えるの？令和における金貨事情を紹介

20万種類あるとされている金貨ですが、購入方法や使用用途について知っている人は多くありません。

ここでは、金貨に関する疑問を解消するために、金貨の購入方法やお金として使用できるかなど、令和の金貨事情をわかりやすく解説します。

金貨の希少性やデザイン性に興味を持った人は、ぜひ参考にしてはいかがでしょうか。

2-1. 金貨の購入方法

金貨の購入方法は主に以下の4種類に分けられます。

• 貴金属店や精錬会社
• 貴金属専門ECサイトなどのオンライン販売
• オークションサイト
• 古銭ショップ

金貨の種類にこだわりがなければ、三菱マテリアルなどの正規販売店で購入する方法が一般的であり、純度・重量が保証された新品の金貨を安全に入手できます。

また、貴金属専門ECサイトでも取扱いがあるため、オンラインで金貨を購入したい場合はチェックしてみるとよいでしょう。

今は発行されていないような希少なコインは、オークションや古銭ショップで購入することも可能ですが、偽物を購入するリスクがあるため、信頼できる業者の鑑定書が付いているかをチェックすることが大切です。

2-2. 基本的に金貨はお金として利用できない

記念硬貨として発行されている金貨は、法定通貨として正式に発行されているため、理論上は通貨として使用することも可能です。

ただし、以下のように一般的な通貨とは異なる点が多く、実際に日常生活で使用されることはほとんどありません。

• 流通価格と比べて額面が非常に低額であるケースが多い
• ATMや自動販売機、レジなどが非対応の場合が多い

金貨はあくまで「投資」や「コレクション」を目的として発行されているものであり、通貨として扱うことには適していません。金貨を運用する際は、金貨の価値を資産として正しく理解しておくことが大切です。

3. 金貨の買取相場とは

金貨の買取価格は、含まれる金の重量と純度がベースとなるため、金の買取相場と連動している傾向が強いです。

2025年10月21日（金1gあたり21,639円）時点における、金貨の買取価格例は以下のとおりです。

• 24金 メイプルリーフ金貨 1オンス（31.1g）：～712,400円
• 24金 1971年 天皇陛下外遊記念メダル（29.3g）：～657,500円
• 24金 カンガルー金貨 1/2オンス（15.5g）：～355,000円

ただし、収集型金貨やアンティークコインは、発行枚数やデザイン、保存状態によって価格が決まることも多く、金相場の優先度が低いこともあるので注意しましょう。

4. 金貨を高く売る3つのポイント

金貨の価値を最大限活かすためには、買取時にいくつかのポイントを徹底することが大切です。

ここでは、金貨を高く売ることにつながる、買取時に意識したいポイントを3つ紹介します。

なお、国内発行の金貨（ご成婚記念金貨や五輪記念金貨等）は、貨幣損傷法取締法によって鋳潰して金として再利用することができないため、一部の買取店では対象外になっているケースがあります。

買取サービスを活用する際には、お手元にある金貨が買取対象になっているか確認してから、以下のポイントを実践するように心がけましょう。

4-1. 付属品を揃える

ケースや証明書・保証書などは、保存状態の良さや本物の金貨であることの証明となるため、買取サービスを活用する際には付属品を揃えておくことが重要です。

希少性の高い記念硬貨で付属品を完備していれば、コレクター需要が高まり、査定額が数万円単位で上がることも珍しくありません。

とくに日本の記念金貨には、専用ケースや題箋（だいせん）などが付属しているケースが多いので、売却前にもう一度家の中をチェックすることをおすすめします。

4-2. 金相場を確認する

金貨を高く売るには、売却前に金相場を確認することが欠かせません。

金の価格は日々変動しており、世界的な景気や為替、需要の影響で1gあたり数百円単位で上下することもあります。

そのため、相場が上昇しているときに売れば、同じ金貨でも数万円高く売ることも夢ではありません。

4-3. 信用できる買取サービスを活用する

金貨を高く売るには、信頼できる買取サービスを選ぶことが最も重要です。

信用できる専門業者は、金相場に基づいた適正価格で査定し、検品体制も整っているため、金貨の価値を正確に把握できます。

業者選びの際は、口コミや評判を確認するだけでなく、査定料・手数料が無料であるかどうかもチェックしておくと、無駄な出費を避けることが可能です。

5. 高価買取されやすい金貨を一挙紹介

ここでは、高価買取されやすい金貨を7つ紹介します。

各金貨の基本的なデータもまとめているので、代表的な金貨をより詳しく知りたい人はぜひ参考にしてみてください。

5-1. メイプルリーフ金貨

メイプルリーフ金貨は、カナダ政府が発行する世界的に有名な地金型金貨です。

直径	30mm
重量	31.1035g
純度	99.999％
額面	50カナダドル

表面にはエリザベス2世の肖像、裏面にはカナダの国樹であるサトウカエデの葉が刻まれたデザインが特徴です。

1オンスをはじめ、1/2・1/4・1/10オンスなど複数のサイズがあり、世界中の貴金属市場で広く取引されています

5-2. ウィーン金貨

ウィーン金貨ハーモニーは、オーストリア造幣局が発行する地金型金貨です。

直径	37mm
重量	31.1035g
純度	99.999％
額面	100ユーロ

表面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の楽器、裏面には楽友協会ホールのパイプオルガンが描かれています。

デザインの美しさと高い信頼性から、世界各国で人気があり、1オンス、1/2オンスなど複数サイズが投資・資産保全目的で取引されています。

5-3. マン島キャット金貨

マン島キャット金貨は、イギリス王室属領マン島で2012年まで発行されていた地金型金貨です。

直径	32.7mm
重量	31.1g
純度	99.999％
額面	1クラウン

毎年異なる猫がデザインされ、表面にはエリザベス2世の肖像が刻まれています。

年によって発行枚数が少ないものもあり、年度によってはプレミア価格が付くことも珍しくありません。

5-4. インディアン金貨

インディアン金貨は、アメリカ合衆国で20世紀初頭に発行された金貨シリーズです。

直径	27mm
重量	16.7g
純度	90％以上
額面	10ドル

表面にインディアンの横顔が描かれているのが特徴で、$2.5・$5・$10の3種類が存在します。

独自のデザイン性と発行期間の短さから、コレクターや投資家の間で人気があり、保存状態によっては高額取引されます。

5-5. カンガルー金貨

カンガルー金貨は、オーストラリアのパース造幣局が発行する地金型金貨です。

直径	32mm
重量	31.1g
純度	99.999％
額面	100ドル

初期は「ナゲット金貨」として発行されていましたが、後にデザインがカンガルーへ変更され、現在の名称になりました。

表面にはエリザベス2世の肖像、裏面には毎年異なるカンガルーのデザインが刻まれます。

カンガルーのデザインが毎年変わる関係上、デザインによっては高額で取引されることも少なくありません。

5-6. 皇太子殿下御成婚記念5万円金貨

皇太子殿下御成婚記念5万円金貨は、1993年当時の皇太子である徳仁親王と雅子様のご成婚を記念して造幣局が発行した記念金貨です。

直径	27mm
重量	18g
純度	99.999％
額面	5万円

表面には「瑞鳥（鶴）と波」、裏面には「菊花紋章とお印の梓」が刻まれています。

発行枚数は約190万枚と多いですが、記念性と金の地金価値から高値で取引される人気の金貨です。

5-7. 2005年日本国際博覧会記念1万円金貨

2005年日本国際博覧会記念1万円金貨は、愛知万博の開催を記念して2004年に造幣局が発行した記念金貨です。

直径	26mm
重量	15.6g
純度	99.999％
額面	1万円

表面には地球と人々の手をイメージしたデザイン、裏面には公式シンボルマークが刻まれています。

発行枚数は約7万枚と少なく、環境と共生をテーマにした美しいデザインと希少性から、未だにコレクターや投資家の間で高い人気を誇ります。

6. 高価買取につながる！金貨のお手入れ方法とは

どんなに価値のある金貨でも、メンテナンス方法や保管方法によっては、価値を大幅に損ねてしまうリスクがあります。

ここでは、高価買取を目指すなら徹底したい、金貨のお手入れ方法について解説します。

金貨の価値を損ねるNG行為も紹介しているので、金貨を高額で売却したい人はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

6-1. 自己流メンテナンスはNG

金は非常に柔らかい金属で、布やブラシでこすっただけでも細かい傷がつき、価値が大きく下がることがあるので、自己流のメンテナンスは絶対に避けるようにしましょう。

基本的には、傷が付かないように大切に保管し、取り出すときは手袋を使用することを心がければ問題ありません。

汚れや曇りが気になる場合は、専門のコイン業者や鑑定士に相談し、クリーニング可能であるか判断してもらうことをおすすめします。

6-2. 適切な保管方法とは

金貨の保管は、湿気や温度変化、摩擦から守ることを意識するのが大切です。

保管する際は専用のプラスチックケースやカプセルに入れ、空気の乾いた暗所に置くように心がけましょう。

数枚を保管する場合は、重ねずに1枚ずつ仕切りを設けると、金貨同士で傷が付かずに済みます。

7. 金貨に関するよくある質問

ここでは、金貨に関するよくある質問をQ＆A方式でまとめています。

7-1. 10万円金貨はいくらで売れますか？

10万円金貨の買取価格は、金の相場と発行年・状態によって変動します。

たとえば平成2年 天皇陛下御即位記念10万円金貨（30g）の場合、60万円前後で売れている傾向があります。

7-2. メイプルリーフ金貨はいくらで売れますか？

2025年10月時点では、1オンスのメイプルリーフ金貨の場合、60万円前後で売られています。

なお、傷や汚れ、付属証明の有無によっては価値が下がることも多いので注意が必要です。

8. まとめ

この記事では、金貨の種類から買取相場まで、令和の金貨事情を幅広く解説しました。

金貨にはさまざまな種類があり、ものによって金としての価値が評価されるか、希少性やデザイン性が評価されるか異なります。

金貨の価値を正確に把握するには専門知識が必要になるので、お手元にある金貨の価値が気になる人は、信頼できる買取サービスに鑑定してもらってはいかがでしょうか。

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