【完全保存版】バレンシアガ バッグのすべて ― 歴史・名作・相場・ケア方法まで徹底解説
バレンシアガ(BALENCIAGA)は、数あるラグジュアリーブランドの中でも、ひときわ異彩を放つ存在です。その魅力は、創業者から受け継がれる構築的でエレガントなクチュールの精神と、現代のストリートカルチャーを大胆に取り込む革新性の二面性にあります。シンプルながらも彫刻のような美しさを持つクラシックなアイテムから、社会の通念を覆すようなアバンギャルドなデザインまで、常に時代の空気を取り込み、ファッション界に新たな価値観を提示し続けてきました。
特にバッグは、その時代のブランドの顔を映し出す象徴的なアイテムとして、世界中のファッション愛好家を魅了し続けています。2000年代初頭に一大ブームを巻き起こした「シティ」から、現代のアイコンとなった「アワーグラス」や「ル・カゴール」まで、その一つひとつが単なるアクセサリーではなく、カルチャーであり、自己表現のツールとして機能してきました。
この記事では、バレンシアガの壮大な歴史の物語を紐解き、ブランドを貫くデザイン哲学、そしてバッグ部門の不朽の魅力を探ります。代表的なコレクションの詳細な解説から、中古市場における資産価値の変遷、さらには愛用のバッグを永く美しく保つための具体的なメンテナンス方法に至るまで、あらゆる角度からバレンシアガのバッグを徹底的に解剖します。
Contents
第1章:バレンシアガの歴史 ― クチュールの建築家からストリートの革命家へ
バレンシアガの歴史は、モードの歴史そのものを体現する壮大な物語です。創業者の絶対的な美学から、現代の多様な価値観を映し出すダイナミズムまで、その変遷を辿ります。
1-1. 創業期:クリストバル・バレンシアガの時代(1917年~1968年)
バレンシアガの歴史は、1917年、スペインのサン・セバスティアンで始まりました。弱冠22歳のクリストバル・バレンシアガが最初のクチュールハウスをオープンしたのです。幼少期から母親のもとで裁縫を学び、卓越した技術を身につけた彼は、完璧主義者として知られ、デザインから裁断、縫製まで自ら手がける唯一無二のクチュリエでした。
スペイン内戦を機に1937年にパリへ拠点を移すと、その才能は一気に開花します。当時のファッションが女性の身体をコルセットで締め付ける曲線美を追求していたのに対し、バレンシアガは布と身体の間に空間を生み出す、建築的で立体的なシルエットを次々と発表しました。ウエストラインを解放した「チュニックライン」(1955年)や、繭のようなフォルムの「バルーンジャケット」(1957年)、そして究極のシンプルさを誇る「サックドレス」(1957年)など、彼の革新的なデザインは、着る人の身体を解放し、布そのものの美しさを引き出しました。その卓越した技術と芸術性から、ココ・シャネルが「我々全員の師」と呼び、クリスチャン・ディオールが「彼こそが真のクチュリエ」と称賛したほど、彼は「クチュールの建築家」としてモードの頂点に君臨しました。
しかし、プレタポルテ(既製服)の台頭という時代の変化に対し、オートクチュール(高級注文服)の完璧な世界を守り続けた彼は、1968年に自身の引退と共に全てのクチュールハウスを閉鎖。伝説のクチュリエは、静かに表舞台から姿を消しました。
1-2. 復活と再生:ニコラ・ジェスキエールによる黄金期(1997年~2012年)
長い沈黙を経て、バレンシアガは1986年にジャック・ボガート社の傘下でプレタポルテブランドとして復活します。そして1997年、当時無名だった25歳の若きデザイナー、ニコラ・ジェスキエールがアーティスティックディレクターに就任したことで、ブランドは劇的な変貌を遂げます。
ジェスキエールは、創業者のアーカイブに深い敬意を払いながらも、そこに未来的なSFの要素やストリートの感覚を融合させ、全く新しいバレンシアガ像を構築しました。彼の手によって、ブランドは再びファッションの最前線に返り咲きます。そして2001年、彼のキャリア、そしてバレンシアガのバッグの歴史を決定づけるアイテムが誕生します。それが「モーターサイクルバッグ(通称:シティ)」です。このバッグの爆発的なヒットは、バレンシアガをトップブランドの地位に押し上げ、”イットバッグ”という概念を再定義しました。
1-3. 変革の時代:アレキサンダー・ワンからデムナへ
2012年にジェスキエールが去った後、メゾンはアレキサンダー・ワン(2012年~2015年)を後任に迎えます。ワンは、スポーティーでミニマルな彼自身のスタイルをバレンシアガの伝統に落とし込み、モダンで都会的なエレガンスを表現しました。
そして2015年、ファッション界に衝撃が走ります。カルト的な人気を誇ったブランド「ヴェトモン(Vetements)」のヘッドデザイナー、デムナ・ヴァザリア(現在はデムナとして活動)が新たなアーティスティックディレクターに就任したのです。デムナは、ラグジュアリーの世界にラディカルなストリートカルチャー、サブカルチャー、そしてインターネットミームの要素を持ち込み、これまでの常識を覆す革命を起こしました。オーバーサイズのシルエット、実用的なユニフォームからの着想、挑発的なロゴ使い、そして日常品をラグジュアリーアイテムに昇華させる手腕は、瞬く間に世界中の若者たちの心を掴みました。彼のもとで、バレンシアガは単なるファッションブランドを超え、現代社会を映し出すカルチャーアイコンとしての地位を確立したのです。
第2章:バレンシアガというブランドの普遍的魅力
時代と共にデザイナーは変われど、バレンシアガには一貫して流れるフィロソフィーがあります。その魅力の根源は、一見相反する要素の絶妙な共存にあります。
2-1. 構築的シルエットと身体からの解放
創業者クリストバル・バレンシアガが生み出した、身体を締め付けない立体的なフォルム。この「構築的なシルエット」は、ブランドの根幹をなす最も重要なDNAです。デムナのデザインする極端なオーバーサイズのジャケットや、アワーグラスバッグのシャープな曲線にも、その哲学は色濃く受け継がれています。それは、衣服を身体の延長として捉え、着る人に自由と力を与えるという思想の現れです。
2-2. ラグジュアリーとストリートの融合
デムナがもたらした最大の功績は、伝統的なラグジュアリーとリアルなストリートウェアの境界線を破壊したことです。高級素材で作られたフーディーやTシャツ、IKEAのショッピングバッグを彷彿とさせるトートバッグ、そして世界的なブームとなったダッドスニーカー「トリプルS」など、彼のクリエイションは「何がラグジュアリーか」という問いを社会に投げかけました。この大胆なアプローチにより、バレンシアガは若い世代からの熱狂的な支持を獲得し、ファッションの新たな潮流を生み出したのです。
2-3. 批評性とユーモアの精神
バレンシアガの近年のデザインには、現代社会や消費文化に対する批評的な視点と、それを逆手に取ったシニカルなユーモアが込められています。例えば、クレジットカードを模した招待状や、ゴミ袋にしか見えない「トラッシュポーチ」など、その挑発的なアイテムは常に話題を呼びます。これらは単なる奇抜さの追求ではなく、ラグジュアリーの既成概念を問い直し、見る者に思考を促すコンセプチュアル・アートに近いアプローチと言えるでしょう。
第3章:バレンシアガ・バッグの世界 ― その特徴と魅力
バレンシアガのバッグは、ブランドの哲学を最も雄弁に物語るアイテムです。その魅力を3つの軸で解説します。
3-1. アイコニックなデザイン性と実用性の両立
バレンシアガのバッグは、一目でそれとわかる強い個性を持っています。アンティーク調のスタッズ、長く垂れたレザーフリンジ、取り外し可能なミラーチャームといったディテールは、エッジの効いたスタイルを演出しながらも、決して奇抜すぎず、どんな装いにも馴染む普遍性を備えています。柔らかなレザーがもたらすくたっとしたフォルムは、身体へのフィット感も抜群で、デザイン性だけでなく日常使いにおける実用性も高く評価されています。
3-2. 時代を切り取る鏡としての象徴性
2000年代初頭、ケイト・モスやオルセン姉妹が愛用した「シティ」は、当時のリラックスしたボヘミアンスタイルを象徴する存在でした。2010年代後半のロゴブームを牽引した「エブリデイ」シリーズ、そしてSNS時代に完璧にマッチした彫刻的な「アワーグラス」。バレンシアガのバッグは、常にその時代のムードやカルチャーを敏感に察知し、それをデザインに落とし込むことで、時代のアイコンとなってきました。
3-3. ジェンダーレスという現代的な魅力
デムナが推進するジェンダーフルイド(性の流動性)の思想は、バッグのデザインにも明確に表れています。多くのモデルはメンズ・レディースの垣根なく展開され、そのクールで無駄のないデザインは性別を問わず支持されています。パートナーと共有できるという点も、現代のライフスタイルにマッチし、その人気を後押ししています。
第4章:時代を彩るマスターピース ― 主なコレクション徹底解剖
バレンシアガの歴史は、数々のアイコニックなバッグと共にあります。ここでは、絶対に知っておくべき代表的なコレクションを、その背景と共に詳しくご紹介します。
4-1. ザ・シティ(The City / Motorcycle Bag) ― 伝説の始まり
2001年、ニコラ・ジェスキエールによって生み出されたこのバッグは、バレンシアガの再生を象徴する不朽の名作です。正式名称は「クラシック・シティ」。驚くべきことに、このバッグは当初、重くて柔らかすぎ、ブランドロゴもないという理由で社内での評価が低く、製品化が見送られかけました。しかし、ショーでモデルたちに持たせたところ、ケイト・モスをはじめとするファッションアイコンたちがその魅力に気づき、個人的にオーダーしたことから、その運命は一変します。
使い込むほどに味が出る柔らかなヴィンテージ加工のラムスキン、ハードな印象のスタッズ、そして機能的なジップディテール。この絶妙なバランスが、カジュアルでありながらラグジュアリーという新しいスタイルを確立し、世界的な”イットバッグ”ブームを巻き起こしました。サイズやディテールを変えた様々な派生モデルが存在し、今なお多くのファンに愛され続ける、まさに伝説のバッグです。
4-2. ネオ クラシック(Neo Classic) ― アイコンの再解釈
シティの誕生20周年を目前にした2020年、デムナはこの伝説的なバッグを現代的に再解釈した「ネオ クラシック」を発表しました。オリジナルのDNAであるスタッズやジッパープルは継承しつつも、よりシャープで構築的な台形のシルエットにアップデートされています。エッジの効いたタッセルや、よりクリーンなデザインは、現代のミニマルなトレンドにもマッチし、新たな世代のファンを獲得しています。クラシックの持つノスタルジアと、モダンな洗練を併せ持ったモデルです。
4-3. アワーグラス(Hourglass) ― 新時代のアイコン
2019年秋冬コレクションで登場して以来、瞬く間にブランドの新たな顔となったのが「アワーグラス」です。その最大の特徴は、創業者クリストバル・バレンシアガのアイコンであった「バスクウエスト」のシルエットから着想を得た、砂時計のようなシャープな曲線を描くフォルム。底面がカーブしているため、置いた時の佇まいも美しく、まるでアートピースのような存在感を放ちます。光沢のあるカーフレザーやクロコ型押しなど、多彩な素材とカラーで展開され、Bロゴのクロージャーが力強いアクセントになっています。SNSを通じてその人気は爆発し、現代におけるバレンシアガの象徴的なバッグとなりました。
4-4. ル カゴール(Le Cagole) ― Y2Kムードの体現者
2021年に登場し、Z世代を中心に絶大な人気を誇るのが「ル カゴール」です。この名前は、フランス南部のスラングで「やりすぎなくらい派手なファッション好き」を意味し、その名の通り、装飾的なデザインが特徴です。シティのDNAであるスタッズやレザーフリンジを受け継ぎながらも、三日月型のホーボーシェイプ、取り外し可能なハート型のミラーやコインパースなど、遊び心あふれるディテールが満載。2000年代初頭のファッション(Y2K)のリバイバルという大きなトレンドに乗り、デュア・リパやキム・カーダシアンといったセレブリティが愛用したことで、その人気は不動のものとなりました。
第5章:資産価値としてのバレンシアガ ― 買取市場のリアル
バレンシアガのバッグは、ファッションアイテムであると同時に、その価値が市場で評価される「資産」としての一面も持っています。ここでは、買取市場における相場の推移と傾向を解説します。
5-1. 相場の推移とトレンド
- 2000年代前半〜後半(シティ全盛期):「シティ」が世界的に大ヒットしたこの時代は、中古市場でも極めて高い相場を維持していました。特に人気カラーや限定モデルは、定価に近い価格、あるいはそれを上回るプレミア価格で取引されることも珍しくありませんでした。
- 2010年代前半(一時的な沈静化):セリーヌの「ラゲージ」やサンローランの「サック・ド・ジュール」など、他ブランドから新たなイットバッグが登場したことで、シティを中心としたバレンシアガの相場は一時的に落ち着きを見せました。一部のモデルでは値崩れも見られ、比較的購入しやすい時期でした。
- 2015年以降(デムナ就任と再燃):デムナの就任によりブランドイメージが一新されると、相場は再び上昇気流に乗ります。ロゴブームを背景にした「エブリデイ」シリーズや、ダッドスニーカー「トリプルS」の爆発的人気がブランド全体の価値を押し上げました。この時期から、新作モデルが中古市場でも高値を維持する傾向が強まります。
現在の買取市場は、モデルによる二極化が鮮明です。
- 高値安定グループ: 「アワーグラス」「ル カゴール」といった現行のアイコンモデルは、非常に高いリセールバリューを誇ります。また、ヴィンテージブームやY2Kリバイバルの影響で、状態の良い「シティ」も再評価が進み、相場が回復・上昇傾向にあります。
- 相場変動が激しいグループ: 一方で、特定のシーズンのトレンドを色濃く反映したデザインや、ロゴブームの際に大量に流通した一部のモデルは、流行の移り変わりと共に相場が下落しやすくなっています。
5-2. 査定額を左右するポイント
- モデルと人気: やはり「アワーグラス」「ル カゴール」「シティ」といった定番・人気モデルは高額査定が期待できます。
- 状態: 角スレ、ハンドルの黒ずみ、内部の汚れ、型崩れの有無が大きく影響します。日頃のメンテナンスが重要です。
- 付属品: ショルダーストラップ、ミラーチャーム、保存袋、ギャランティカードなどの付属品が揃っていると、査定額がアップします。
第6章:輝きを永く保つために ― プロが教えるお手入れと保管術
バレンシアガのバッグ、特にシティなどに使われるヴィンテージ加工のラムスキンは非常にデリケートです。適切なケアを行うことで、その美しさを永く保ち、資産価値を維持することができます。
6-1. 日常のメンテナンス
- 使用後の乾拭き: バッグを使用した後、馬毛などの柔らかいブラシで全体のホコリを払い、乾いた柔らかい布(マイクロファイバークロスなどが最適)で優しく拭きましょう。特にハンドル部分は皮脂が付着しやすいため、念入りに行います。
- 防水スプレーの活用: 購入後すぐ、そして定期的に、レザー用の防水スプレーをかけておくと、水濡れや汚れの付着を予防できます。必ず目立たない場所で試してから、30cmほど離して均一に吹きかけてください。
6-2. 素材別のスペシャルケア
- ラムスキン・カーフスキン:乾燥はひび割れの原因になります。数ヶ月に一度、レザー用のデリケートクリームを布に少量取り、薄く均一に塗り広げます。塗りすぎはシミやカビの原因になるため、必ず少量から試してください。クリーム塗布後は、しっかりと乾拭きをして余分な油分を取り除きます。
- キャンバス素材(ネイビー カバスなど):軽い汚れは、消しゴムタイプのクリーナーで優しくこすることで落とせる場合があります。液体クリーナーを使用する際は、シミになる可能性があるため、専門家への相談をおすすめします。
6-3. 正しい保管方法
- 型崩れ防止: 保管する際は、バッグの形を整え、中に詰め物(丸めた薄紙や専用のバッグピロー)を入れます。新聞紙はインクが色移りする可能性があるので避けましょう。
- 湿気と日光を避ける: バッグは購入時に付属していた布製の保存袋に入れ、風通しの良い、直射日光が当たらない場所で保管します。クローゼットに長期間保管する場合は、除湿剤を近くに置くと効果的です。
- 適切な間隔を保つ: バッグ同士を密着させて保管すると、色移りや型崩れの原因になります。十分なスペースを確保しましょう。
6-4. トラブル発生時の対処とプロの活用
- 雨に濡れた場合: すぐに乾いた布で優しく叩くように水分を吸い取り、形を整えて風通しの良い日陰で自然乾燥させます。ドライヤーの熱を当てるのは絶対に避けてください。
- 傷や深刻な汚れ: ボールペンのインクや油シミ、深い傷がついてしまった場合は、自分で対処しようとすると状態を悪化させる可能性があります。信頼できるバッグ専門のクリーニング・修理業者に相談するのが最善の選択です.
まとめ ― 時代を持ち歩く、ということ
バレンシアガのバッグは、ただのファッションではありません。それは、クチュールの建築家クリストバル・バレンシアガの完璧主義と、現代のストリートカルチャーを牽引するデムナの革新性が交錯する、時代そのものです。
「シティ」に刻まれた2000年代の自由、
「アワーグラス」が描く構築的な美、
「ル カゴール」に宿るY2Kの奔放さ。
ひとつのバッグに、ひとつの時代が生きています。
近年では、中古市場でもその価値が見直され、とくに初期のシティや現行のアワーグラスは高い人気を維持しています。状態が良ければ、定価の60〜80%前後での査定も十分に期待できるアイテムです。だからこそ大切なのは、手放すタイミングもまた美意識で決めること。バレンシアガのバッグは、売ることで終わりではなく、次の持ち主へと時代を受け渡すカルチャーでもあります。
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