2025.09.12

パテック フィリップとは?高級時計誕生の歴史と豆知識を徹底解説!

パテック フィリップ

パテック フィリップは創業以来、数々の貴族や著名人から愛され、優れた耐久性とデザイン性により、多くの人を魅了してきました。そこで、今回は世界中の時計ファンを魅了し続ける高級時計ブランドのパテック フィリップの特徴や歴史に加え、豆知識や代表作について解説します。
 
さらに、記事の後半では買取市場での相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1. パテック フィリップとは

ここでは、パテック フィリップの世界的評価に加え、ほかの高級時計ブランドとの違いについて見ていきましょう。

1-1. パテック フィリップの世界的評価

パテック フィリップは、オーデマ ピゲやヴァシュロン・コンスタンタンを含む世界三大高級時計ブランドのひとつです。格式の高さに加え、高級時計ブランドという確固たるブランド力により、世界中から高く評価されています。
 
なお、オーデマ ピゲは1875年、ヴァシュロン・コンスタンタンは1755年、そしてパテック フィリップは1839年に創業されており、それぞれ100年以上もの歴史があります。各国の著名人から愛されており、日本では大正天皇や昭和天皇も愛用していたとされています。

1-2. パテック フィリップとほかの高級時計ブランドとの違い

パテック フィリップとほかの高級時計ブランドとの大きな違いは、ブランドコンセプトに加え、製作技術や資産価値にあります。
 
たとえば、高級時計ブランドとして知られているロレックスやオメガといったブランドは、高精度で頑丈な時計を大量生産し、幅広い層に供給することでブランド力を築いてきました。一方、パテック フィリップは創業以来、一貫して少量生産を守り続けています。
 
基本的には職人が手作業でパーツを作り出し、仕上げの工程へと進めていきます。少量生産にこだわることで、優れた品質を維持でき、たくさんの時計愛好家から人気を集めているのです。
 
また、多くの高級時計メーカーは外部からムーブメントや部品を調達するケースがありますが、パテック フィリップはムーブメントからケース、針に至るまで自社生産を徹底しているのも特徴といえるでしょう。パテック フィリップの製造体制はブランドの独自性と高品質を維持し、ほかでは真似できない繊細で上質な仕上がりを実現しています。
 
さらに、デザインのこだわりにも違いが見られるでしょう。ロレックスがスポーティかつ実用的なデザイン、高級感溢れるデザインなど、幅広いスタイルに対応しているのに対し、パテック フィリップは時代に左右されないクラシカルなデザインをもとにしています。ノーチラスといったスポーツモデルであっても、洗練された高級感のある仕上がりとなっています。
 
流行に左右されない姿勢により、永続的に古さを感じさせず、タイムレスな魅力を生み出しているのが魅力的です。
 
そのほか、資産価値の高さもパテック フィリップの特徴といえるでしょう。数多くある高級時計ブランドのなかでも、安定的な資産価値を誇り、次世代にわたっても価値が落ちにくいのが魅力のひとつです。そして、メンテナンスや修理にも対応しており、万一のトラブルでもしっかりと対応してくれます。

2. パテック フィリップの歴史と創業者

ここでは、パテック フィリップの歴史や創業者について見ていきましょう。
 
1839年、ポーランドからスイスへ亡命してきたアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックによって現在のパテック フィリップが創業されました。
 
創業当初は、腕時計というものが存在しておらず、おもに懐中時計やオーダーメイドの時計を製作、販売していました。創業時はパテック フィリップではなく、2人の創業者の名前より、「パテック チャペック社」という社名で歴史がはじまったのです。
 
その後、1844年に開催されたパリ産業博覧会において、時計技術士であるジャン・アドリアン・フィリップと出会います。ジャン・アドリアン・フィリップはパリの博覧会で「鍵なし竜頭巻き上げ・時刻合わせ」を展示しており、銅メダルを授与されました。
 
アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランソワ・チャペックは、その時計技術士に惚れ込み、「パテック チャペック社」に勧誘しました。そして、1845年にジャン・アドリアン・フィリップが入社して、社名を「パテック社」に変更します。
 
こうして、1851年にアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとジャン・アドリアン・フィリップの二人の名前を冠した「パテック フィリップ社」が正式に誕生しました。そして、パテック フィリップ社に変更されたあと、ロンドン万博でヴィクトリア女王に時計を献上したことが、王侯貴族御用達ブランドとしての地位を確立する契機となったのです。
 
また、ヴィクトリア女王はリューズ巻き上げ・時刻合わせ式の18金ペンダントウォッチを購入したとしても知られています。
 
そして、1868年にはハンガリーのコスコヴィッチ伯爵夫人がパテック フィリップの評判を聞き、パテック フィリップとしてのはじめての腕時計を購入したといわれています。ダイヤモンドがレイアウトされたデザインの腕時計であり、カバーを開けると時計盤が出てくるといったシークレットウォッチでした。
 
1877年に創業者のひとりであるアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックが亡くなります。そして、実質的な経営の舵を取ったのがジャン・アドリアン・フィリップです。ジャン・アドリアン・フィリップの経営手腕と優れた技術により、世界中にパテック フィリップの名前が知られるようになりました。しかし、1891年にジャン・アドリアン・フィリップの息子であるジョセフ・エミール・フィリップに経営権を譲ることになったのです。
 
そして、右肩上がりであったパテック フィリップでしたが、1929年の世界大恐慌により多くの人が危機に陥ったのです。パテック フィリップも経済危機の影響を受けて、業績がどんどん悪化していきました。
 
業績が低迷するなか、文字盤製造業者のジャン・スターンとシャルル・スターンがパテック フィリップを買収して、現在の社名である「Patek Philippe S.A」となったのです。

3. パテック フィリップに関する豆知識

ここでは、パテック フィリップの豆知識として、以下の3点について見ていきましょう。

  • パテック フィリップシール
  • マニュファクチュール
  • 自社製造

3-1. パテック フィリップシール

パテック フィリップシールは2009年にパテック フィリップが独自に制定した認定基準のことです。2008年までは「ジュネーブ・シール(Poinçon de Genève)」の刻印を採用していましたが、より厳格な基準を設けるために導入されたのです。
 
もともと採用されていたジュネーブ・シールはスイス・ジュネーブ州によって制定された「ジュネーブ天文台の時計作動検査に関する法律」に基づいた規格です。精度や耐久性はもちろん、伝統的な技法やデザインの美しさなども規格として制定されています。また、ジュネーブ州内で製造されたムーブメントしか認定されません。
 
ジュネーブ・シールも厳しい基準が設けられているのですが、パテック フィリップでは、さらなる高品質化、洗練さを目指すために、基準を厳しくしたパテック フィリップシールを制定したのです。その背景には、ジュネーブ・シールがケースや外装、アフターサービス、長期的な性能保証といった要素を含まないことに限界を感じたことが挙げられます。
 
パテック フィリップシールでは、ムーブメント精度を日差-3秒〜+2秒以内に収めることや、外装の仕上げ品質、耐久性の確保、さらには顧客が数十年後に修理を依頼しても対応できるアフターケア体制までが審査対象に含まれているのです。
 
つまり、製造段階における品質認証ではなく、永続的に時計を所有するための認定基準ともいえるのです。パテック フィリップシールは、ムーブメントやケースに刻印され、全モデルに採用されています。

3-2. マニュファクチュール

時計は精密機械であるため、長年使用していると故障やトラブルが発生することがあります。しかし、ほとんどの時計メーカーがアフターケアに対応していなかったり、交換パーツの保管に期限を設けていたりします。
 
つまり、交換パーツの保管期限が過ぎるとパーツは廃棄されてしまって、メーカーでの修理が不可能となってしまうのです。
 
しかし、パテック フィリップの時計は全モデルが永久メンテナンスに対応しています。過去に製造されたモデルのパーツを保管していることから、永久修理に対応しており、万一のトラブルにもしっかりと対応してくれるのがパテック フィリップの魅力といえるでしょう。

3-3. 自社製造

自社製造のため大量生産できないのもパテック フィリップの魅力のひとつです。素材や製造工程にこだわりを持っており、熟練の職人が丁寧にひとつずつ作り上げていきます。

自社製造にこだわっているからこそ、高品質で洗練された時計を世界中に届けることができるのです。

4. パテック フィリップの希少性について

パテック フィリップの年間生産本数は約6万本といわれています。高級ブランド時計の代表格ともいえるロレックスの年間生産本数が約124万本であることから、パテック フィリップの生産本数の少なさがわかるでしょう。

熟練職人による丁寧な作業によって製造されることから、供給できる本数に限りがあり、それが希少性を高めているのです。

5. パテック フィリップの代表作と人気モデル

ここでは、パテック フィリップの代表作を見ていきましょう。

5-1. ノーチラス

ノーチラスは1976年に発表された人気モデルです。時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタによってデザインされ、船窓をモチーフにしているのが特徴です。

上質かつ高級感のあるデザインが特徴的で、中古市場でも定価の数倍で取引されることがあります。
 

5-1-1. ノーチラス5711

ノーチラス5711は2006年に発表されたモデルです。完成度の高いモデルといわれており、世界中で高い人気を誇ります。ステンレススチールモデルではあるものの、上質な仕上がりが特徴的で、生産年数はわずか1年でした。
 

5-1-2. ノーチラス5712

ノーチラス5712は2006年に3712の後継モデルとして発表されました。日付やパワーリザーブなど、コンプリケーションモデルとなっており、落ち着いたデザインのなかにインパクトのある見た目が魅力的です。

5-2. カラトラバ

カラトラバは1932年に誕生したパテック フィリップのロングセラーモデルです。シンプルで無駄のないラウンドケースと、洗練された文字盤が魅力です。
 

5-2-1. カラトラバ Ref.5196

カラトラバ Ref.5196はカラトラバも正統派モデルです。初代モデルのデザインを受け継ぎつつ、現代の需要にマッチさせるようにデザインが変更され、世界中で人気のあるモデルのひとつです。
 

5-2-2. カラトラバRef.6007G

カラトラバRef.6007Gはカラトラバのなかでもカジュアルなデザインに仕上がっています。文字盤には黄色、赤色、青色の原色が採用されており、洗練されたデザインのなかにカジュアルさが散りばめられていて、幅広い層から人気があります。

5-3. アクアノート

アクアノートはノーチラスから派生されたモデルであり、1997年登場しました。ノーチラスよりもカジュアルな雰囲気が特徴で、トロピカルバンドと呼ばれる耐久性の高いストラップが魅力的です。
 

5-3-1. アクアノートエクストララージ 5167A-001

アクアノートエクストララージ 5167A-001はトロピカルバンドが採用されており、アクアノートの定番モデルです。5167A-001は現行モデルであり、ムーブメントには最新のCal.26‑330 SCが採用されています。
 

5-3-2. アクアノートミディアム 5066

アクアノートミディアム 5066は1998年に発表された2代目のアクアノートです。ベーシックなデザインに加え、ケースバックがシースルーとなっており、パテック フィリップらしいおしゃれな仕上げとなっています。

まとめ

今回は「パテック フィリップの歴史と豆知識」をテーマに、パテック フィリップの誕生秘話や代表モデルに加え、希少性について解説しました。パテック フィリップはパテック フィリップシールという厳しい基準を設けており、年間の生産本数をわずか約6万本と限定して生産しています。

熟練職人が丁寧に作り上げることで、高品質かつ希少性の高い時計が生まれるのです。
 
ノーチラスやカラトラバ、アクアノートといったさまざまなモデルがあるなか、人気モデルになると数千万~数億円で取引されることも少なくありません。購入後も長く価値が保たれることもパテック フィリップの魅力です。

ご案内
パテック フィリップの買取ならタイムレス

ご自宅に眠っているパテック フィリップはございませんか?

大手百貨店やショッピングモールに店舗を展開し、信頼と実績の買取でご好評をいただいている総合買取サロン タイムレスにお任せください。

今すぐ査定依頼

※ 全国共通コールセンター : 受付時間10:00~19:00(当社が定める年末年始休暇を除く)

📌パテック フィリップの売却を検討している方へ

パテック フィリップの腕時計は、買取市場においても高い評価を受けており、モデルや製造年数、状態によって高価買取が期待できます。特に、コマなどの付属品や保証書が揃っていれば査定額も大きくアップします。
 
ご自宅に眠っているパテック フィリップの腕時計がある方は、まずは無料査定を受けてみることをおすすめします。タイムレスでは、プロの査定員が丁寧・迅速に適正価格をご案内いたします。相談や査定は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事をシェアする

タイムレスの買取対象品目

「価値があるのかどうか分からない」「こんな物売れるの?」
そんなお品物でもぜひお持ちください。

その他:古銭・ブランド食器・楽器・骨とう品・カメラなど
※買取対象品目は店舗・催事ごとに異なります
※また、未成年者からの買取はできません。酒類の買取に関しては20歳以上のお客様のみ対象となります。各店舗・催事ページをご確認いただくか直接お問い合わせください

TOPへ戻る